Fishbone

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2022.7.14

イキる

人は誰しもイキってしまう。
油断をすると、ついイキってしまうものだ。
自分を本当の大きさよりも大きく見せようとしたり、賢く見せようとしたり、強く見せようとしたり。
格好悪いったらありゃあしない。
酒を呑む場所では、殊にそれは顕著になる。
気をつけろ、今のそれは知ったかぶりじゃないか。
酔っ払った頭でも、知らないことを知らないと言う勇気をしっかりと持たないと、ほら、ついつい人はイキってしまうことになる。

向上心は大事だろうさ、プライドだってそうだ。
しかし、プライドとは自尊心であり、それは自分自身に向けられるモノである。
他人に向けられたお前のプライド、それはただの見栄っ張りでしかない。
自身を大きく見せようと見栄を張れば張るほどに、本体は矮小化していく。

若い時はまだいいさ。
自信のなさから反射的にイキってしまったことを、現実にする可能性が大いにあるからだ。
そのイキりを糧に努力する時間がある。
だが、おっさんのはダメだ。
もうそれ以上に大きくなることはないし、過去も変えられない。

上記のように恐ろしいイキりである。
ボクも日々、細心の注意を払ってイキらないように努めている。
それでもついイキってしまった日には、眠る前に反省し、同じイキりを繰り返さないと誓うのだ。

そんなボクの前に、とんでもない伏兵が現れた。
それは息子の50メートル走である。
彼は足が速いのが自慢で、クラスの中でもトップの方に位置しているらしい。
「オレ、50メートルのタイム、8.0秒やったで。おとうは何秒で走った?」
「小学生の時のは覚えてないけど、一番速かった高校の時で、6.8秒ぐらいやったんちゃうかな」
「マジか!おとうスゲーなあ!!」
ああ、子供から受ける素直な賞賛は、なんと気持ちのいいモノだろう。
その日から息子に聞かれる度に、ボクの記憶のタイムはドンドン速くなっていき、今では、
「うーん、確か6.2秒やったんちゃうかな」

気をつけろ、人は隙あらばイキってしまう生き物なのだ。